わがままボディ

僕はお腹が弱い。この文章を単体で見ただけでも、僕がイケてないのが分かる。ある意味、めちゃイケかなって。めちゃめちゃイケてない。きっとテレビの番組にもならないタイトルなんだけど。

 

先日。缶コーヒーを片手に喫煙所でタバコに火を付けた瞬間。SMAPかなって。一瞬思ったよね。『蒼いイナズマが僕を責める~♪』そうSMAPは、カッコよく歌うが、僕の蒼いイナズマはピンポイントで僕のお腹を責めたのだ。声にならない声が出る。げっちゅー!じゃない。本当は『うっ。』である。

 

シェィクスピアはハムレットの中で『人生は選択の連続だ』と言った。僕はタバコに火を付けたばかりである点とショッピングモールの中だから大丈夫って理由で、我慢を選択した。タバコを吸っているが、だんだんとお腹が痛くなってくるのが分かる。普段なら、量が少ないと感じられる缶コーヒーも心なしか普段より多い気がする。そう。今、僕は焦っている。お腹の痛みを抱えながら。時間にして2分程度だろうか。タバコを吸って慌てて喫煙所を出てトイレに向かう。

 

トイレは大が2つ。小が3つあった。大きい方が2つとも使われていた。もうオワターって思った。人生は選択の連続なのだ。どうしよう?ココから家まで4分くらい。もう目の見える位置に家があるので家に帰る選択をする。

 

瞬間的な判断。

 

もう、絶対に負けられない戦いがココにあるのだ。威厳と尊厳をかけた負けられない戦いである。テレビが煽る以上に負けられない戦いの始まりなのである。

 

さざ波かなって位に寄せては返す便意。いつもの道のりが遠く感じられる。顔は固まり、なにわ男子じゃなく、はにわ男子かなって位に顔がひきっつている。今の僕の頼りは守護神であるゴールキーパーの肛門に託されている。もう絶望。絶え間ない絶望の中を一歩、一歩とゴールである家のトイレを目指す。少しずつ近づく家。それだけが希望の光りなのだ。24時間テレビのマラソンをしている気分なのか、これは。誰も応援なんぞしてくれないけど。

 

そんな絶望の中を必死に歩いてマンションの前まで到着した。油断禁物。急いでオートロックを開けてマンション内を歩く。家の鍵を開けて手を洗い。トイレへ。間に合った。安堵した。なんなら『ちゅきちゅきハリケーン☆』無駄に☆もつけちゃうぜってくらい。はにわがなにわになった。実際にはなってないし、なれないけど。

 

もう、この一連の流れを見て頂くと分かるように。ゆうとのわがままボディな訳です。わがままボディは女性のスタイルを指す言葉ではないっ。強く念を押しておきたい気分な僕なのです。