魂のBLS研修

良く晴れた春の日。BLS研修があった。医療で働いていない僕は、どう見てもボーイズラブの複数形にしか見えない研修に何をするのかと思いながら研修を受けた。講師は、強面のガタイの良い師長さんと看護師の方2名。一応、新人の看護師の研修なんだけど事務である僕も受けたのだ。何故?でも、さすが病院。師長さんも看護師の方も凄かった。

 

普通に働いているとBLSなんぞ知らない。まず僕は聞いた事が無かった。BKBなら分かるけど。話しを聞いてみるとBLSとは救命1次処置というものらしい。要は心配蘇生法の事。そんな場に出くわしたくもないし、出くわす場面も無いと思いたい。研修はDVDを見るところから始まり実習。心臓マッサージってヤツ?胸を押す作業を繰り返した。今は心臓マッサージって言わなくて胸骨圧迫って言ってたかな。もう僕の脳内はバグっていた。

 

人形を使って実習なんだけど。3班に分かれて実習。出来れば強面師長さんとの組になりたくないと僕は思った。まぁ、結果を言えば願いも虚しく講師は師長さん。新人の看護師さん3名と僕の班に分かれた。この時点で医療の知識が無いのは僕だけである。しかも午後研修なので僕のみスーツを着ての参加。僕は普通に仕事あるからね。ヤバい。圧倒的なアウェイ感。敵地に乗り込んだ感があるよね。

 

いきなりの実践。実習の流れで言うと。「人が倒れてます。」大きな声で。場所の確認。周りを見回し安全な場所かどうか確認をする。肩を叩きながら「大丈夫ですか?」と言う。息をしているかどうか人形の口元に耳を傾けてお腹を見て動いているか、息をしているか目と耳で確認。この時点でヤバい。人が倒れている時点でヤバいのだ。そして、助けを呼ぶ。「救急カートと先生を呼んで下さい。(例)」この救急カートとは何か分からないし、救急カートで合っているのかも僕は分からない。首元で脈の確認。人形なので形だけだが、実際の人間では僕は脈の確認は出来ないだろう。もう人形に語るんですけど。声が小さいと強面にダメって言われるので、サバンナの八木さん位かなって思いながら「ブラジルの人聞こえますかー?」レベルで声を張り上げる。きっと今の僕の声はブラジルまで聞こえる。めっちゃ声を出した。それから胸骨圧迫。30押し×5セット。無我夢中で押した。

 

3セットを終えると人形の軌道を確保して空気を送り込む器具を使う。これが難しい。素人には空気を口から送り込む事も出来なかった。つまり、出来なかったのは医療の知識の無い僕だけである。そして、AEDの準備。胸と脇腹辺りにシートを貼る。胸骨圧迫続ける。AEDがしゃべる。つって。3名の新人看護師さんも出来ていたよね。これって学校で必須なのかな?

 

新人の看護師さんと事務の僕ではレベルが違い過ぎたよね。