事件と勝負

動画を倍速で見る若者かなってくらいに1年間が早い。もう11月に入っていて僕自身が驚いている。ほら、タイパつって。年々、1年が経つスピードが凄くてね。もうスピード違反かよつって。出し過ぎ注意みたいに思っています。話は軽く遡ります。8月頃かな。既に時が早すぎて僕自身の記憶が瞬殺されてる。ぺこぱ並みに「時を戻そう」つってね。とりあえず暑かったことは覚えてる。

 

2023年盛夏。

 

取引先の50代くらいの男性と意気投合し、休日に遊ぶことになった。今年から仕事が無駄に増えている。仕事の増殖力がカビ以上に強くてね。もう手が回らない訳。あっ。話を戻そう。

お昼からご飯とかお酒を飲んで過ごした訳です。取引先の男性はグルメ家で1軒目を選択してもらい、2軒目は僕がよく1人で行く大衆食堂になった。

 

ただ事件は2軒目で起きた。僕は、あんまりご飯好きじゃないんですけど。というか、美味しいご飯が分からないんです。美味しいもの食べたい欲も無いし、美味しい料理が、そもそも美味しいのか分からない。基本的になんでも美味しいと感じる舌があって助かってます。多分1軒目は高そうな場所だった。お肉とお酒を飲み食いした。接待でもないので自分が食べたものは自分で払った。貸し借りは要らない。相手にその気があっても断った。仕事に関係することだからね。僕の指定した店は昭和レトロ感ある、本当に大衆食堂で、グルメ家の男性も僕のチョイスに驚いていたし、関心もしてくれた。

 

事件の犯人は「はも」

ちょうど旬の時期らしく、はもの湯引きを男性がチョイスした。1軒目で呑んでるので饒舌だった。梅のタレみたいなやつで食べるんだけど。グルメ家は一口食べるなり「美味しい。目を閉じると瀬戸内海で捕れた新鮮で淡路島からの風を感じる」的な名言を残し、ゆうと君にはまだ分からないだろなぁー的なことを言い、働いているおばちゃんに絡み出し。ねぇ、お母さん!はも美味い的な言葉を伝えた。

僕はあぁ、そんなもんなんかなと思い、男性がトイレで席を立ったタイミングで、おばちゃんに「やっぱり、近くの市場とかで仕入れてるんですか?」と質問した。するとおばちゃんは少し困った後、割り切ったように「ああぁ、冷凍!!」つって。

 

んん!!?

だよね。だって僕が行く大衆食堂だもの。お値段もリーズナブルな価格だし。でも、重要なのはソコではない。お店の雰囲気と冷凍のはも。自称グルメ家に勘違いさせた勝負に勝ったのだ。すごく面白くて僕はビールがすすんだ。世の中、知らぬが仏ってこともあるのも学んだ。